今回の研修旅行は、郡山商工会議所創立80周年と福島−ソウル国際定期路線増便の記念事業で、郡山市福島空港活用促進協議会が主催しました。一般公募で参加した7組の夫婦をはじめとした総勢46人が参加。高橋晃収入役が団長を務めました。これまで経済界の使節団派遣は行われていましたが、市民レベルでの訪問は初めての試み。一行は、世界一のコンベンション施設などを中心とした街づくりを視察しながら、巨大観光都市・ラスベガスの魅力に触れました。
今回の研修旅行の目的は、世界一のコンベンションシティづくりと観光客に対するホスピタリティ(心のこもったもてなし)を学び、福島空港の利用促進につなげるトランジット(空港での乗り継ぎ)を体験することでした。
ラスベガスの注目すべきは、全米一を誇る年間3千5百万人の観光客数。ホテルは13万の客室を持ち、稼働率は90%を超えているという事実です。
まず一行は、世界最大の規模を誇るラスベガス・コンベンション・センターを視察。会議室や展示室など全体スペースは30万平方メートルにおよび、実に郡山市のビッグパレットの12倍強にもなります。最大で20万人以上を一度に収容できるといいます。対米進出のコンサルタント会社「ネバタジャパンカンファレンス」社長の荻原秀介さんを講師に招いてのセミナーも開催。荻原さんは調査データから、ラスベガスを訪れる目的について、「ギャンブル17%に対して「プールでくつろぐ」が29%、「ショッピング」が18%という数字を紹介しながら「80、90年代の苦悩の時代を経て今日のラスベガスがあるのはタブーへの挑戦だった」と語りました。ニューヨーク・マンハッタンやイタリア・ベニス、古代エジプトのピラミッドなど“異国情緒”の巨大ホテルの林立などがその一例。一行が泊まったホテル・パリスには、本物そっくりのエッフェル塔と凱旋門が建ち、団員から感嘆の声が上がりました。
さらに「市民の翼」一行をうならせたのは、目抜き通りやホテル内の治安体制の良さ。テレビカメラなどで24時間警備され、ちょっとしたトラブルがあると、たちまちガードマンが駆けつけてくるといいます。泥酔者や路上生活者の姿はなく、子供一人でも安心して歩き回ることができます。「街の人たちはどこへ行っても親切で、受け入れる側の来てほしいという気持ちが伝わってきた…」との参加者からの意見も聞かれました。
初のトランジットに挑んだ今回は、福島空港を出発し、仁川空港(韓国・ソウル)−ロサンゼルス空港(米国)を経由し、ラスベガス・マッキャラ空港のルートを採用。市開発課の影山敏夫課長は「福島空港から上海やソウルだけでなく、そこからさらに世界へ行くことができるという可能性を示すことができた。これを機にさらに地元空港の利用促進につながれば」との期待感を示しました。
研修を終えて、団長の高橋晃収入役は「どこへ行ってもスタッフがネームプレートをつけており、われわれに気軽に話しかけてくれる。ラスベガスのコンベンション都市を実感するとともに、もてなしの心にもふれた」と振り返りました。 |