郡山市福島空港活用促進協議会  
中国視察研修団
中国に進出した福島県企業の取り組みを視察。
現地経済人とも意見交換し、幅広く交流。

 福島空港の利活用促進と県中地域への国際物流拠点設置の可能性を探るため、郡山商工会議所創立80周年を記念した「中国視察研修団」は、10月20日から23日の日程で中国・上海と北京の両市を視察しました。一行は原正夫郡山市長を団長に、大高善兵衛郡山商工会議所会頭ら14人。

 福島空港から出発した一行は上海空港に到着。その後、上海市内のレストラン「王宝和大酒店」で行われた懇談会に臨み、世界各国の貿易団体や企業との交流促進の窓口となる上海市国際貿易促進委員会の代表と交流し、上海の物流事情に理解を深めました。席上、原市長、大高会頭は「福島空港の開設で両国のきずなは、より密になった。経済、観光両面での一層の交流促進に期待したい」とあいさつしました。

 翌21日は北京に移動し、「北京三佳時装(さんがじそう)」を視察。工場があるのは、北京市中心部から約40キロ東に離れた農村地帯。日本向けに紳士服と礼服を月に約1万7千着出荷しています。一行は、フル稼働する生産ラインを見て回り、すべて手作業の工程には、団員から「30年前の日本を見ているよう」との声も…。研修団に参加した郡山三東スーツ社長の佐藤祐二さんは「安価で、どれだけ高品質の製品を作れるかが鍵」と今後の戦略を見据えます。

 22日は、イトーヨーカ堂、ヨークベニマル(本社・郡山市)などが出資し、市内の新興住宅密集地に昨年4月に開店した「王府井ヨーカ堂」の勁松(じんそん)店を訪問しました。果物や鍋用の野菜セットなど中国の食卓に上がる食材が明るい店舗に陳列されており、中国語のラベルがなければ、日本のベニマルと何ら変わらないほど。「鮮度重視、品切れなしの陳列。ベニマルとまったく同じ方針を採用いている」と猪俣淳副総経理は話します。来店数は1日約7千人。当初は9千人と見込んでいたとのことで、イトーヨーカ堂中国総代表の塙昭彦さんは「中国では買い置きをする習慣がない。とりわけ野菜は近くの路上の泥のついたままのを買うのが圧倒的」と説明していました。加えて単価が日本の十分の一と安く、日本と同じような売上を得るには、十倍売らなければならないという現実に、団員から驚きの声が上がりました。店を訪れたのは初めてという、ヨークベニマル相談役の大高会頭は「中国に新しい食文化が芽生えつつある」と話していました。王府井ヨーカ堂は現在、北京市内に2店舗を構えており、北京五輪開催の3年後までに10店舗を目標にしています。

 王府井ヨーカ堂の見学を終えた一行は同夕、空路で上海に移動。全日程を終了し、23日、上海・浦東空港から福島空港に戻りました。











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